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瀧靖之教授の話食動眠コラム
第5回
脳を健康にする生活習慣『話・食・動・眠』
〔その4〕『眠』(睡眠)の効用

これまで脳を健康にする生活習慣の『話・食・動・眠』の中から順番に、『話』(会話・コミュニケーション)・『食』(食事・料理)・『動』(運動)の効用についてお話しさせていただきました。今回はいよいよ最後の『眠』(睡眠)の効用についてお話ししたいと思います。

気持ちよく眠るだけで、脳はどんどん健康になる!

皆さんは、1日平均何時間くらい眠りますか?
 そして、ぐっすり気持ちよく、熟睡できていますか?

 人は眠ることで身体の疲れやストレスを取り除き、生命を維持しています。そして、脳は、私達が眠っている間もずっと働いていて、脳の神経細胞ネットワークのメンテナンスをしたり、起きている間に得た情報や記憶の整理整頓、定着を行ったりしています。
 そのため、本人の眠気のあるなしに関わらず、睡眠不足になると、身体に相当な負担がかかり、脳もうまくメンテナンスや情報、記憶整理が行えなくなって認知症リスクが高まると言われています。

実際に、最近、世界中の様々な研究機関によって、睡眠時間と眠りの質が脳の健康に大きく関わっていることが明らかになってきています。
 2014年に発表された、シンガポールの「睡眠と認知機能との関係」調査では「睡眠時間の短い高齢者は脳の老化が早い。」という結果が報告されました。
 2013年、アメリカの大学の研究では、なんとアルツハイマー型認知症の原因となる「アミロイドベータたんぱく」などの有害な物質が、睡眠によって洗い流されてしまう可能性があると発表しています。

 気持ちよく眠るだけで、どんどん脳は健康になるのですからこんなにうれしいことはありません。充分な『眠』(睡眠)が取れる規則正しい生活習慣をぜひとも心がけたいものです。

質の良い睡眠を取るために心がけたいこと

では、充分な『眠』(睡眠)を取るにはどうすればよいのでしょうか?
特に高齢者の方は、夜中に何度もトイレで目が覚めたり、朝早くに目が覚めたりして眠りが浅くなりがち。そこで、少しでも多く睡眠時間を取るためには、いつも同じ時刻に寝床に入り、同じ時刻に起きる生活習慣を身につけることが大切です。
また、昼間日光を浴びる時間をつくると体内時計が正常に働きやすくなり、夜の寝つきが良くなると言われています。

反対に睡眠の妨げとなることとして、夜遅い食事があげられます。寝る間際に食事をすると、胃に負担がかかって質の良い睡眠は得られません。
 テレビやパソコンの強い光も脳を刺激し、メラトニンという睡眠導入のためのホルモンを抑えてしまうことがわかっています。できれば、寝床に入る2時間くらい前から食事やテレビ、パソコンなどを控え、睡眠のための環境を整えると、質の良い快適な睡眠が取りやすくなります。ちなみに研究調査の結果、理想的な睡眠時間の目安は7時間程度とされています。

1日30分以内のお昼寝は認知症リスクを下げ、
それ以上のお昼寝は逆に認知症リスクを上げる

最近、昼寝の効用がいろいろなところで言われるようになってきました。人間の生体リズムからすると、午後2時から4時くらいの間に眠くなるのは、夜、眠くなるのと同じくらい自然なことだと言われています。
 生体リズムですから、眠くなれば我慢をせずにお昼寝をした方が脳や体にとってはよいのです。国内の研究報告では、1時間以内のお昼寝は認知症リスクを下げ、それ以上のお昼寝は逆に認知症リスクが上がると発表されました。特にアルツハイマー型認知症ではお昼寝の時間を30分以内にすると発症リスクが五分の一に軽減されることがわかっています。

以上のことよりお昼寝タイムは30分を超えないことが大事です。周りを暗くすると寝すぎてしまうので、明るくしたままソファや椅子に座って仮眠を取るのがよいでしょう。また、お昼寝は遅くとも午後3時くらいまでにしたいものです。あまり遅い時間だと夜の睡眠の妨げになってしまいます。

 お昼寝の直前にコーヒーや紅茶、緑茶などカフェインの入った飲み物もおススメです。カフェインの目覚まし効果は飲んでから2、30分後に現れるので、いいタイミングで目覚めることができます。
 短時間昼寝の生活習慣がある方ほど後々の認知症リスクが下がりますので、働いている方もお昼休み椅子に座ったまま15分ほど目をつむるなどして上手にお昼寝できるといいですね。

今回で私のコラムは一旦完結となります。
 ぜひとも「話・食・動・眠」を取り入れた生活習慣を身につけて、みなさんがいつもでも元気に自分らしく、充実した高齢ライフを過ごされることを願ってやみません。
 ご愛読ありがとうございました。
話・食・動・眠のある暮らし
仙台泉の取り組み

高い遮音性と高気密高断熱だから
安眠しやすい居住環境

工場でつくるセキスイハイムは、ミリ単位の高精度施工と厳しい品質管理によって、優れた住性能を実現しています。高い遮音性能は居室内を静かに保ち、騒音等による睡眠の妨げを抑えます。また、高い気密断熱性能は窓冷えや温度差を抑えて、眠り易い温熱環境を保ちます。その他照明の工夫など、高齢者の眠りやすくお目覚めも心地よくなるような睡眠環境に取り組んでいます。

入眠しやすい睡眠環境に配慮しています
屋外の音が気にならない高い遮音性は
居室での睡眠環境を守ります
断熱サッシの採用で窓冷えしにくく居室温度が逃げにくいので、
体調調節が苦手になる高齢者方の体調を守ります
瀧 靖之(たき やすゆき)
東北大学 機能画像医学研究分野教授、東北メディカル・メガバンク機構教授、医師

東北大学加齢医学研究所及び東北メディカル・メガバンク機構で脳のMRI画像を用いたデータベースを作成し、脳の発達や加齢のメカニズムを明らかにする研究者として活躍。16万人の脳画像を研究分析し「生涯健康脳」を提唱。

著書に「生涯健康脳」(ソレイユ出版」、「脳はあきらめない!」(幻冬舎新書)、
「らくらく認知症予防法 生涯健康脳になるコツ教えます!」(廣済堂出版)他

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